先日のM3で見えなかった今の同人音楽に必要な何かの答え

同人音楽の危機、到来?

先日のM3では同人音楽批評誌「R3 magazine」にてコラムを書いたのですが、その際に同人音楽活動のモチベーション保持について経済学的な視点から論じたものが複数ありました。
また同じく同人音楽の諸問題について、「六弦アリス」などを主催しているMr.ASKさんの書いた記事が一部で話題となっております。

R3Magazine vol.3(「音系同人世界と市場原理とか、その辺の話」より)
 同人社会を長年にわたって回していくためには市場原理と異なる何かの考えを導入する必要があるのでは、という示唆がともなっています。
私たちの存在は市場経済の考え方ではない「何か」によって守られていなければならないはずです。
先日のM3で見えた今の同人音楽に必要な何かの答え
儲け主義でエンタメ性は二の次みたいな考え方のサークルが増えすぎて、そいつらがこの業界をダメにしている
業界のリアルな実情を知れば知るほど、経済学の観点や経営学の観点、あらゆる観点からこの業界を見ると、とにかくおかしなことが山ほど見えてきた
これらの論で見受けられるのはおそらく、同人音楽界隈がいびつに市場主義化していることに対する危機感であり、どうやらそれは広く共有されています。もともと趣味的でDIYな同人文化が、商業的活動に近づくにつれ、シーンが壊れていく危惧があるのでしょう。

で、みんな何が言いたいのかが分からん。

しかし僕には腑に落ちないことがあるのです。

まず、そもそも何がそんなに不安なのかがハッキリわからない。 いや、なんとなく不安なのはわかるんです。僕の身の回りも、あっけらかんとしてる人はそんなにいない。ただ、具体的にどんな不具合が発生していて、誰がつらい思いをしているのかが分からない。先程紹介したコラムや記事では、具体的なトラブルについてボカしてあるのです。実名出してDISるのは難しいのはわかりますが、正直なところ僕みたいなニワカサークルにはこれではピンとこないし、リスナーからしたらもっと分かんないと思います。
もう一つの問題として、商業音楽の領域でも既存ビジネスモデルや各種原理が大きく変動しているわけで、先述のような懸念は果たして同人音楽界隈だけの問題なのかという疑問があります。共通の問題であれば他の業界の雰囲気みながら後追いしたり先読みしたりすればいいだけなので僕らがウダウダいっても無駄です。

つまり、いま必要なことは、

具体的な事象を明らかにしたうえで
  • なにが同人音楽の市場主義化をもたらしているか
  • 同人音楽の市場主義化はなにをもたらしているか
  • それから立ち向かう or 逃れるうえで必要なツールはなんなのか
を考える必要があるのではないか、と思っています。ものごとがハッキリすればいくらでも切り込めるでしょう。みんな賢いもん。

だいたいの目途は「法人の出展増えすぎ」「レーベル化がもたらす分業と寡占」「ブーム追いすぎ」とかいろいろあるんだと思います。でも今のままでは仮説すら立てられない。
皆さんには政治運動よろしく「声をあげなきゃ何も変わらない!」などと言うつもりはありませんが、「声があがらなきゃ何もわからない!」とは思ってますので、困ってることや心のモヤモヤを表現してくれるようになれば、いつか僕も何かしらお力添えできるかもしれません。とりあえず、おしゃべりしたいです。

※ちなみに先日のM3では「同人音楽とその周辺」の著者・井手口先生がお越しでしたし、関西ボーパラには同人歌い手文化を研究している大阪大院・藤下さんとお会いしました。学術界でも何かしらの動きがあるかもしれませんね。
※もしかしたら困ってることや考えてることを表現するプラットフォームこそが足りないって気がしてきましたがその辺も考えてみたいです。
※困りごとをはきだすのと、「学級会」で晒しageして糾弾するのは違うので、その辺は常に気を配りたいところ。これはこれで同人の悪癖ですよね。
※適宜記事拡散するなりフォローしてくれたりするとうれしいです。https://twitter.com/aoiiiin

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